subtitle_jp
subtitle_en
nav00
nav32
nav31
nav30
nav29
nav28
nav27
nav26
nav25
nav24
nav_extra03
nav23
nav22
nav21
nav_sp02
nav20
nav19
nav18
nav17
nav_sp01
nav16
nav15
nav14
nav13
nav12
nav11
nav10
nav09
nav08
nav07
nav06
nav05
nav_detour01
nav04
nav_extra02
nav_extra01
nav03
nav02
nav01
title
 

 

Hot Peppers As Stars

幸せの国からトウガラシの恵みを

 

「GatemoTabun ガテモタブン」代々木上原

http://www.gatemotabum.com

 

2015. 6. 5 Friday

 

*** 写真 & 文章 by 次女 Asuka ***

 

ブータン王国(首都 ティンプー)とは、南アジアに位置する国で、九州とほぼ同じ大きさ。人口は約74万人で、公用語はゾンカ語。

 

28_00

 

幸福の国としても知られるブータンは、高山地帯にある寒い国で、主食は米で、トウガラシが常食にされている。料理には大量のトウガラシを使うが、辛さの調味料としてだけでなく、野菜として食べるのが特徴。

 

そんなブータン料理を専門としているレストランは、日本では『ガテモタブン』だけだと聞いた。

 

*** お店のホームページより ***

 

" ブータン料理は「世界一辛い料理」と思われる事が多いのですが、どちらかといえば「世界一トウガラシを良く使う料理」であり、トウガラシを辛さの調味料だけでなく、「野菜」として食べるのが特徴です。"

 

************

 

まさしく、トウガラシを『野菜として』美味しく食べたい激辛3姉妹。

私達のテーマにぴったりのブータン料理、満を持して体験。

 

(以下本文 "  " 内はお店のメニューから引用)

 

 

雨の降る肌寒い金曜の夜、代々木上原駅から南に向かって坂を数分登ると、ほっとするぬくもりの灯りに遭遇する。

 

28_01

 

12人程でいっぱいになりそうな、オレンジの明かりに包まれたほっこりする居心地の良い空間。木製の椅子とテーブルで装飾されており、個々に違う椅子の背もたれの繊細なデザインに思わず見惚れる。

 

入り口で出迎えてくれるのが、このブータントウガラシ達。

日本でよく見られる一般的なトウガラシに比べると、かなり大振りである。

 

高山地帯のブータンでは農業の出来る豊かな土地が少なく、痩せた土地で厳しい天候の下でも元気に育つトウガラシがたくさん作られていると聞くと、貧しい土地でも人々を支えて恵みを与えることのできるトウガラシの健気で頼もしい力に感動する。

 

28_02

 

トウガラシ研究家/専門家の妹は、各国のトウガラシそのものやトウガラシ料理をリサーチしており、その一環としてこのお店にも一度訪れている。

その妹が仕事で遅れるとのことで、姉と2人でブータンの未知の味を一足先に楽しみ始めることにする。

 

メニューにはブータンビールはなかったので、ご近所のネパールのビール『ムスタン』 を頂くことに。

濃厚な味わいはかなり好み。

壁にはブータンの地図が貼られていて、地理のお勉強も出来る。

 

28_03

 

ビールを飲みながらメニューの学習。

おつまみで大変気になったのが...

 

28_04

 

『ホゲ』

 

28_05

 

野菜サラダのような料理で、” キュウリ、トマト、カブ、玉葱、コリアンダーなどをカッテージチーズ、山椒、トウガラシであえて ” いる。

一口食べて・・・

おお〜 見た目からの予想を爽快に裏切る味!

チーズで色とりどりの野菜をあえているので、イタリアン的な味を想像するのだが、口の中はすっかりアジアン。

山椒がピリピリと口の中で踊ってくれて、痺れ好きにはたまらない。

その痺れからお隣中国の香りと、コリアンダーから東南アジアの味わいが感じられ、ブータンの位置を感覚的に納得させてくれる。

コク深いチーズがそれら個性のある風味を巧妙に受け止め、刺激ある甘さとなって舌の上を滑っていく。

シャキシャキとクリスピーな玉葱ときゅうり、甘酸っぱいトマト、その中に混じるカブの歯ごたえが新鮮で面白い。

箸が止まらない癖になる美味しさで、お酒のおつまみにぴったり。

微かに漂うトウガラシの刺激がこれからの期待感に拍車をかける、見事な序曲を奏でる素晴らしいアペタイザー。

 

続いて

『モモ(ブータン式蒸し餃子)』

 

28_06

 

(モモは広くチベット文化圏で食べられる小籠包、蒸し餃子、肉まんの類)

 

ブータンでは漬け物の様な『エヅェ』をつけて食べるのだが、このエヅェがとても大切なブータン料理の一つだとか。

トウガラシと玉ねぎ、トマト、チーズなどを混ぜたもので、ごはんやパンケーキに付けたりもするそうで、トウガラシは生のものや粉トウガラシを入れたりとバリエーションは色々あるそうだが、『ガテモタブン』では粉末トウガラシを油で炒めたものを使っているとのこと。

 

まずはエヅェ抜きでモモを一口。

何てやさしい味だろう!

厚くモチモチしている手作りの皮と、口の中でほっこりと絡まる肉汁と素材達。

エヅェを付けてみるとこれがまた美味しい!

レモングラスが東南アジアの風を運んでくれる。ほんのりした酸味が心地よく、辛いというより爽やかな刺激である。

確かにこれだけで、ごはんやパンケーキを食べられるだろう。

今日の私達にとっては、お酒の美味しいパートナーになる。

 

次に登場するのが、ブータンの最も代表的な料理。

 

28_07

 

『エマダツィ(トウガラシ&チーズ)』

 

トウガラシ=エマ、チーズ=ダツィ、名前そのままの料理。

” トウガラシとチーズだけのシンプルな家庭料理で、 1日3食エマダツィという人もいる ” とのこと。

 

28_08

 

アイボリーに輝くクリームシチューのようなスープの中と上には、縦に二つ切りにされただけのトウガラシが大胆に踊っている。

まずスプーンでスープをそっと口に入れると・・・

 

「うわあ、何て美味しいんだ!」

 

想像以上の旨みに圧倒される。深く温かく優しい味わい。チーズのコクと甘さがふわぁーっと口の中に広がり、雨の天候の中少し冷えていた体中をふんわりと温めてくれる。

ダツェ・ダツィと呼ばれるチーズは、ブータンでは牛を飼っている家では手作りのチーズを使うそうだ。

スープの次に赤いトウガラシを味わってみると、フルーツのように甘くて、辛みのあるパプリカのよう。厚みのある柔らかい歯ざわりをゆっくり楽しんでいると、トウガラシが野菜であることをしみじみと認識させられる。

青いトウガラシはカリカリと歯ごたえがよく、辛さも赤いほうよりパワフル。嫌味を感じさせないフレッシュな青臭さが野菜であることを主張している。

どちらも丸ごと食べると勿論辛いのだが、チーズと一緒に口の中で溶けるとまろやかになり、トウガラシそのものの辛さと甘さをしっかり感じることができる。

 

きっとものすごくシンプルに違いないこの料理は、素材そのものの美味しさを気付かせてくれる見事な一品。

美味しい、美味しい、と、2人ともスプーンが止まらない。

今日のように肌寒い日に特にほっとさせてくれる家庭料理。

 

新しい味の出会いに感動の中で、落ち着いて味わってみたくなったのが

『ドラゴンラム』

濃厚でまろやか、これも甘さと刺激のハーモニーを口の中で奏でてくれる。

 

28_09

 

妹が登場し、3人で改めて食べてみようとメニューに戻る。

気になるのが肉料理。

 

28_10

 

まずはおつまみページにホゲと共に載っていた、

『ポークソーセージのチャンバ』

 

28_11

 

チャンバとはお酒のおつまみのことらしい。

トウガラシとコリアンダーで煮炒めされた味わいは、もちもちしたソーセージの重さを感じさせずさっぱりと爽やか。ぱくぱくといくつでもいけちゃう。

 

 

『シャダフィン(鶏肉&春雨&トウガラシ)』

 

28_12

 

鶏ひき肉と春雨を使った生姜の香りが効いたスープ料理。

野菜の旨味と甘さが引き立っているので、辛さに苦手な方でもこのピリリとした刺激を美味しく楽しめるのではないだろうか。辛みと生姜で冷え性対策には効果抜群であろう。

鶏肉の旨みがたまらない出しが春雨にぎゅっと詰まっていて、お腹の中が幸せになる。

 

 

『干し肉のパクシャパ(豚肉&トウガラシ)』

 

28_13


”「パクシャ」は豚肉「パ」は塊の意。豚バラ、大根、 トウガラシを炒め煮したブータンの代表的な料理。”

干し肉から滲み出る出しが大根にもしっかり溶け込んでいる。これにも大振りなトウガラシが大胆に入っていて、ジャーキーのようなしっかりした歯ごたえのお肉と、ほっこりした大根と、このさっくりしたトウガラシを一緒に食べると、味と香りと歯触りのとろけるような協奏曲に。

 

ラスト・オーダーの時間となったが、更なる発見をしたくて、今まで忘れてしまっていた、本日の特別メニューが書かれた黒板へと3人の目がいく。

 

28_14

 

ここから頼んでみたのは非常に興味深い・・・

 

『乾燥白とうがらしのエマダツィ』

 

28_15

 

乾燥ものを使っていても、スープの中でしっとりとなって、食べにくいことは全くない。

同じエマダツィでも、トウガラシの違いで旨みが変わる。

トウガラシはまさしく野菜 --- 種類や季節、生か乾燥か粉末かで、味・香り・食感が変わり、様々な料理の中で私たちの目と舌を楽しませてくれる。

 

奥に見える緑色のものが

『ギュン チャン パ』

山椒を使ったきゅうりのお漬け物のようなおつまみ。

山椒の香りが清々しくて、きゅうりのクランチーさを爽快なさっぱり感で満喫できる。

 

28_16

 

香辛料や刺激物として見事な脇役をこなすのは勿論、このように立派な主役として活躍できるバラエティ豊かなトウガラシ達・・・

 

チーズと様々なトウガラシからの恵みに心から満足。

想像力を未知数に掻き立ててくれる数々のお料理との出会いに感謝。

名残惜しくて、お店クローズギリギリまで長居してしまったが、幸福の国ブータンとの別れの時間がやってきた。

 

28_17

 

幸せたっぷりの3姉妹の写真を、お店の方に撮っていただいた。

本当にご馳走様でした。

トウガラシの美味しさだけではなく、その恵みとパワーを、素晴らしい料理として今後も日本と、世界中の人々に広めてください!

 

 
  top