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title
 

 

「カラシビ味噌らー麺 鬼殺し」by「鬼金棒(きかんぼう)」神田

http://karashibi.com/

 

*** 写真 & 文章 by 次女 Asuka ***

 

行脚#17は3姉妹がお手伝いさせて頂いた開発ストーリー:

 

17_01

 

ことの始まりはこのTシャツから始まった。

 

17_00

 

趣味のバスケを楽しむ姉、バスケ仲間の1人がこのTシャツを着ていたのを、カラシビファンの姉が見逃す訳が無かった。

「何それ何それ!?」

そのTシャツの持ち主羽根田氏が、『カラシビ味噌らー麺 鬼金棒』の店主と同級生だったことが判明。

今も深い交友があると聞き、すかさず3姉妹の名刺を羽根田氏に差し出す機転の利く姉。

「鬼金棒も行脚で行っているから、是非サイトを覗いて貰って!」と。

すると羽根田氏はすぐに『鬼金棒』オーナーの三浦氏に連絡を取ってくれたのだ。

ありがとうございます!羽根田氏のその素早い対応のお陰で、今回の非常に貴重な体験が可能に。

 

それから約1週間後、その三浦氏から羽根田氏を通してこのような依頼が。

 

「夏の間、期間限定トッピングで2011年のギネス記録で世界一辛い唐辛子(トリニダート・スコーピオン・ブッチ・テイラー)を使って、ラーメンを作ります。
どれくらい辛くすれば良いものか、激辛三姉妹にアドバイスをもらいたい、試食に来て頂けないでしょうか。」

 

こんなにワクワクする嬉しいお誘いが果たして他にあるだろうか(いや、ない)。

この時7/11、夏の期間限定が目的ならすぐにでも開発を進めたいに違いない。

姉妹達の間で速攻での連絡を取り合い、7/16夜に3人で試食の為にお店に伺うことに。

 

2013. 7. 16 Tuesday

 

17_02

 

当日は頼もしい仲介役を務めてくれた羽根田氏にもお越し頂ける。

『カラシビ味噌ラーメン本店』の隣のビルに位置する『つけ麺店』の前に集合。

つけ麺店は2013年4月にリニューアルオープンしたばかりで、私達が行脚でお邪魔した6席しかなかった2012年10月時に比べると、15席のゆったりとした美しい店舗に生まれ変わっていた。

 

店の外と中両方から数々の鬼達が私達を迎えてくれる。

 

17_03

 

店内に入った途端頭上から出迎えてくれる彼等!色といい光といい、この演出ニクいね。

 

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このお二人の下には...

 

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このようにミニ金棒が美しく並んでいる。

お話を聞くと北海道から購入したとのこと。

 

17_06

 

店のあちこちに散りばめられた、なまはげも含めた鬼コレクション達を改めて眺めながら...

 

17_07

 

行脚でお邪魔したときの疑問を投げかけてみる。

「三浦さんは秋田のご出身ですか?」

 

17_08

 

『カラシビつけ麺 ダブル鬼増し』も含めた私の行脚記を読んで下さっていた三浦氏、あははと笑いながら「いえいえ、違います。」

鬼コレクターだから『鬼金棒』にしたのではなく、店名『鬼金棒』が先立って、それから鬼関係アイテムを集め始めたそうで、現在はあと1件余裕で埋められる程の数が集まっているのだそう。

 

食券機の隣に佇むこの巨大金棒は、旧つけ麺店を製作中に看板と同値段と聞き、インパクトの強い金棒を選んだそうだ。

店舗デザイン・プロデュースを本職にしている私、お店の色から賢明な判断だと同感する。以前の店舗では外に飾られていて、その時の強い印象は忘れられない。

美しいじゃないか!

 

17_09

 

つけ麺、冷やしつけ麺、そしてトッピング。

 

17_10

 

辛さと痺れはそれぞれ『抜き』から『鬼増し』までの5段階を選べ、『鬼増し』のみ各+100円。ラーメン店でも同じシステム。

 

三浦さんは昔からの痺れファンだが、元々は辛さは苦手だったとか。美味しい山椒にハマり、何にでも山椒をかけているうち、辛く痺れる美味しい四川麻婆に出会った。そこで痺れと釣り合う辛さの大切さと美味しさを知り、辛いものをどんどん食べるようになった。

『鬼金棒』は自分の大好きな痺れるラーメンを始める為に造ったお店だが、それにバランス良く熱くさせる辛さのレベルも選べる仕組みにしたのだ。

自分のラーメンの痺れレベルは『鬼増し』を好む三浦さん、辛さにかなり慣れたと言っても、今でも辛さは『普通』が精一杯だそうだ。

 

17_11

 

スムーズにことが進むよう、予め席を羽根田氏と3姉妹の4人分用意していてくれた。

 

この日の務めは、私達も未経験の生スコーピオンの使用量を確認すること。

スコーピオン (Trinidad Scorpion Butch) は1,463,700 SHU(スコビル)を記録しており、2013年現在で世界3番目に辛い唐辛子。一般的に一番知れ渡っているハバネロ (Habanero) は約300,000 SHU、知名度の高くなってきた暫く世界一に君臨していたあのジョロキア (Naga Bhut Jolokia)でさえ約1,000,000 SHU であるから、スコーピオンの威力が窺い知れる。

生を口にしたときの未知なる衝撃に興奮と緊張が高まる。

 

この生スコーピオンは、千葉のある業者さんから冷凍状態でkg単位で仕入れたそうだ。

 

今回の私達の任務は、その生スコーピオンを使用したい3つのお料理 - カラシビ味噌らー麺・カラシビつけ麺・カラシ冷やしビつけ麺 - にそれぞれスコーピオン25gを投入し、その量での味とパワーの意見を与えるもの。25gという量は、材料やオペレーションの関係でデフォルト的に決めたもの。

辛さ『普通』が精一杯の三浦さん、鬼増しでさえ食べるのは難しいのだから、当然試食しても口の中が痛いだけでどの位が適量か判断不可能。

では何故自分では無理なレベルに辛くすることを思いついたか?

年中行列が耐えない『鬼金棒』でも、夏は他のラーメン店達と同じ運命でラーメンの需要率ががくっと減るそうだ。

だが、夏と言えば何故か『激辛』に人気が集まる。そこに注目し、それなら中途半端な激辛料理を創るのは面白くない、元々辛さ『鬼増し』はかなりの威力を発する自分のラーメン達に、更なる凄いパワーを与えて人々に深い印象を与えて迫力ある話題性に繋げようと思ったのだ。

リサーチを進めるうち、現実的な値段で日本で入手可能である威力最強の唐辛子が、この生スコーピオンであった。保存やオペレーションの問題で理想に思っていたパウダーは、まだまだ日本ではとんでもないお値段だとか。

早速仕入れ、さて従業員達で試食会をしようにも、そこそこ痺れの耐久度が高い人達はいるが、残念ながら全員がスコーピオンを口に入れることさえ不可能な状態であった。

一般のレベルを超えてしまった激辛人は、どの位の辛さで満足し、更に美味しいままで食べてもらえるのだろう?食べられない程辛過ぎたり、無理をして体調を崩されるのも困る。

 

そこで私達3姉妹に声がかかったのである。

 

試作第一品目『カラシビつけ麺』がカウンターテーブルに到着する。

痺れファンの3姉妹としては、痺れを『鬼増し』にしたかったが、今回は自分達の満足度の一環として味もしっかり確かめたかったので、ある程舌が麻痺する『鬼増し』を控え『増し』にとどめる。

スコーピオン投入前の辛さのレベルも迷ったが、『鬼増し』はハバネロパウダーを使用するとのこと、その独特な味と風味を知っているので、今回はスコーピオンのみの味を確かめる為に辛さもハバネロを含まない『増し』にとどめる。

 

『特製カラシビつけ麺』-『シビ増し』『カラ増し+スコーピオン25g』

 

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『特製カラシビ味噌らー麺』-『シビ増し』『カラ増し+スコーピオン25g』

 

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てっぺんに盛り上がったオレンジ色の塊に注目して欲しい。これが微塵切りにされた生スコーピオンである。

この量を、今後の展開に至る上で目に焼き付けていて欲しい。

 

最後に仕上がった『特製カラシビ冷やしつけ麺』-『シビ増し』『カラ増し+スコーピオン25g』

 

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どの品も、生々しくオレンジ色に輝くスコーピオンがたっぷり乗せられている。

 

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お決まりのように撮影中を姉に撮影される私。

 

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3人でローテーションしながら食べ進めることに。

私自身はつけ麺から始めた。

未知への遭遇に緊張感を隠せず多少震える箸でスコーピオンを砕き、ゆっくりとスープに混ぜ込ませた後に麺とスープを少しずつ口に運ぶ。

美味しい。

美味しい。

おぉ〜美味しい!

味が壊れていないぞ。素晴らしい風味だ。そしてがつんと来るスコーピオンの威力は半端ではない!そしてこれだけのパワーがありながら、ハバネロの持つような刺すように襲ってくるビリビリ感が無いのは不思議だ。

 

少しずつ食べた所でそれぞれ席を移動し、私は次に味噌らー麺への作業に取りかかる。

美味しい。

美味しい。

うわあぁああああ!これは激旨だあ!!!!!

 

実は鬼金棒ファンの私も、激辛中毒の性で今まで辛さは唯一ハバネロを使用するマックスの『鬼増し』しか食べたことが無かった。そのハバネロで実はかなり邪魔されていて知らなかった、雑味の無い本来のカラシビ味噌スープを初めて味わったのである。

この本来の味を知らなかった時でさえ、私にとっては今まで出会った中で一番好きなラーメンである。

それが、この味!豚骨と魚介の濃厚ダブルスープが甘辛い味噌と織りなすデリケートで深い味わい。美味しすぎて涙が出てくる思い。大袈裟だと笑うな。本当に感動の味なのだ。

 

真っ赤な欠片達は唐辛子達、上に見えるオレンジ色に溶けるように絡み付いているのが生スコーピオン。

 

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こちらが『冷やしつけ麺』の途中経過。

 

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こちらも美味しい。

どちらも確実に普段の鬼増し以上のパワーを口にも胃にも感じる。やぐら亭の『ほたる』と比較すると『レベル3』といった所か。大きな違いは、ほたるはつんと酸っぱい強力なハバネロ臭によってレベル3辺りから本来の魚介の効いた味が壊れ始めるのだが、これらは味も風味も旨味も生きたまま。

 

以前何度か、激辛仲間が持ち寄るスコーピオン使用のホットソース類を試した時、その顕著な雑味の無さが一番強力な印象であった。散々様々なソースやパウダーを経験して来た後、『甘い』という印象があったのは、このスコーピオンのフルーティーさ故であろう。そう、唐辛子系野菜の性質に果物の良さが加わった感じ。

スコーピオン使用のソース類はあまり辛くないと、一部の激辛仲間達からの不満さえ聞いていた。口で感じる辛さに関しては、確かに1/10以下の辛さのソースの方が強力に感じることさえあり、不思議に思ったりもしていたが、実際に胃腸に受ける刺激は遥かに上であることを薄々感じていた。

激しいカプサイシンエキスや主張の強いガーリックやジンジャーを効かせたりする、酸っぱいハバネロや苦いジョロキア使用のソース達に比べ、『脳』で『辛い』と感じないスコーピオンソースのトリックは、その雑味の無さ故の存在感の無さであろう。

その個性の無さの長所が、他の強力唐辛子達には無い『料理の味を邪魔しない/壊さない』点なのだ。

 

今回のように器を並べて食べ比べたことは無かったが、3つ全く異なった味にとても感動した。味噌らー麺の味噌の濃厚なコクと心地良い甘さがクリーミーな動物系スープと一緒に創りだすハーモニー、それと比較すると魚介系の甘さと香りがより強調されているつけ麺、甘酸っぱさが特徴の爽やかな冷やしつけ麺、そしてこんなにも違うそれぞれの味をしっかり保ち、ビリビリと不快な痛みを生じさせることも無く、物凄いパワーで私達の口と額と喉とお腹にどかんとぶつかる衝撃。

スコーピオンって、凄い。

 

全ての麺を完食する。

食べている間、三浦さんはひたすら『大丈夫ですか?』と聞き続ける。

実はスコーピオンの欠片を少し口にし、その次の日ずっとお腹が痛くて大変な思いをしたそうだ。

従業員さんの誰もが、スープ一口だけで痛さに襲われるらしい。

そんなものの欠片どころか塊を黙々と食べ続けている訳だから、ヒヤヒヤしながら見守るのは当然である。

 

麺を完食した後、スープがそれぞれ少しずつ残っている。

私の目の前には一番好きな味噌らー麺のスープが。

 

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この激旨のスープを飲み干したいと、私の目は欲している。

だか、それを止める何かが私の中で動き始めていた。

レンゲで残るスープをすくって何度か舐める、胃にも喉にも口にも痛みは全く感じない。お腹にじんわりした熱さが広がっているだけ。『ほたるレベル5』の時のように、時間差で突然来る胃に突き刺す痛みを覚悟して、熱くなる胃と相談しながら時間をかけて食べていたので、食べ始めてから30分程経過している。胃痛を感じる時は必ず体が訴える前兆があるから、それが全くないということは胃痛はないであろう。

しかし。

食べている最中に一度妹がトイレに行ったのだが、戻って来たときの彼女の目が私の記憶の一部を鮮やかに蘇らさせていたのだ。

第1回目の姉妹行脚、ハバネロの威力が最強時に行なった宇宙1辛いラーメン『ほたる』のレベル5。

あの体中を襲った衝撃の直中で、感動を超えた恐怖の手前で愕然と見つめた時、目の前の妹の目は真っ赤で涙ぐんでいるようにも見えた。

今、妹の目がまさにそれだった。

その霞みかけていた記憶が気味悪く私の脳裏を駆け巡り始める。

 

『ほたる』レベル5と違う点は誰もが苦しんでいないこと。痛みが無いこと。震えも寒気もきゅんとくるような微かな痛みも、異常を知らせる前触れは何も無い。

汗ばみながら、3人が『美味しいね』と食べている。

けれど私の体が、直感が、本能が、何かを訴えている。

その何かが分からない。

その異様なオーラがどうやら三浦さんにも伝わっていて、終始おろおろしていたのは、分からないながらもとてつもない不安要素になっていたようだ。

 

『何か』促されるように飲み干したい欲求を抑え、終了することにする。

 

「25gはいけますね!美味しいままだし、この辛さはどんな上級の激辛人も満足しますよ。成功を祈ります。」

その後店頭で暫く三浦氏・羽根田氏と笑顔で会話する3姉妹。

 

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その店頭での楽しい会話の後半で、私の体に異常が発生していた。

一体何なのかはっきりしたことは分からないが、この場を早く去るべきだと切実に訴えている。

頭の中を過るのは...

トイレ、トイレ、トイレ。

下痢?いや、痛みは無い。けれどトイレにいくべきと本能が懇願している。

笑顔の会話の後半で少し無理矢理気味に「では失礼します」と言って両氏を後にした直後、私は姉に訴えていた。

「ちょっと、ヤバイヤバイヤバイ。」

「何?うずくまる?トイレ行く?」

問いかける姉に私はどうしたいのか分からない。

「きっとトイレ...」

激辛に伴う苦痛と対処する方法は人それぞれだが、私の場合、トイレにお腹を抱えながら座るだけでかなり楽になる。痛みも苦痛も無くておかしな話だが、きっとそれに違いない。

「じゃあ駅のトイレに...」

と姉が言っている間に、私の体に急激な異変が生じた。顎の辺りが痺れだし、軽い頭痛とともに目の前が朦朧となる、何だこの異様な気持ち悪さは!?得体の知れない不安感と恐怖感が一気に私を襲う、と同時に無意識に叫んでいた、「吐く、吐く!」と。

姉が機転を利かせてさっと取り出したビニール袋を手にした瞬間、私は暗い路上の隅で一気に戻してしまっていた。

あまりの瞬時のことに、ビニール袋を抱えたまま呆気にとられる私。

辛さの所為で吐いたのはこれが初めてだ。しかも吐き気など感じなかったし、吐くなんて直前まで思いもしなかった。

 

心配そうに見ていた姉、「体が拒絶反応起こしたんだね。」

 

私が落ち着いた頃、しかし事は収まらなかった。

「イタタタタタタタ!」駅に向かう途中で、突然うずくまる姉。

今度は姉の番であった。彼女は結構な痛みを胃に感じている。自分自身の事より切なくなる。

私と同じ状態でビニール袋の中に殆どを戻し、しばし朦朧とする姉。

 

朦朧としたまま、休憩の必要を感じて近くの喫茶店へ。

そこで暫く炎症を起こした胃に鈍い痛みが行ったり来たり。

妹も暫くつらそうにしていた。

「これは正直に伝えないといけないね。」

三浦さんに責任感や罪悪感を感じさせたくないし、不安を与えたくない。しかしこれはアドバイザーとして責任問題である。これで事件でも起こったらお店の大問題になり兼ねない。

スコーピオン25gは、食べている時の“口で感じる”パワーは『ほたるレベル3』つまり、激辛人にとっては満足度の高い辛さ、身体に異常を感じ始める人もいるレベル4の手前。
それだけの嬉しいパワーを口で感じながら、ほたるとの大きな違いは美味しさが全く壊れていないことだった。それ故、辛く且つ美味しい私達の理想の味だったのだ。
ところがスコーピオンの”実際”のパワーはどうやら『レベル5』かそれ以上のようだ。

激辛人は、特にほたるの苦しみを経験をしている人なら、ああこれかと分かり、昨夜の私達のように身体と相談しながら食べたり、胃痛が来ても自己対処が出来るが、一般人の場合は大問題になる可能性がある。
またほたるの場合は皆が知っていて、苦痛覚悟してまでチャレンジする人々がいる程有名なので問題にならずに済んでいるのかもしれないが、チャレンジメニューとしてこれから展開を始める段階では、警告をされても知らず/分からず食べてしまって倒れる人も出てしまうのでは・・・

 

炎症が治まるとそれから苦しむ事は全く無かった。姉は苦しみの直中では激辛引退が頭をよぎるほどだったが、翌朝は「もう少し調子の良い時に15gでラーメンを食べたい」と全く懲りてない様子。そんな姉に同感してスコーピオンが早速恋しくなっている私。

 

私達に起こった現象を正直に告げた上で、早速三浦さんに送った以下の提案:

 

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「25gは確実に危険な量です。激辛の苦痛の世界を知らない人は決して口にしてはいけません。
ただあの変わらぬ美味しいままの味への感動は全く無くなっていないので、絶対に多過ぎると否定はしたくありません。
初めて召し上がる方には5gで充分な気もしますが、スコーピオンは存在感が無いので、『この辛さではつまらない』という激辛人が絶対に現れるでしょうから、鬼増しを楽しく食べられる人を対象という厳しい限定にして以下の案は如何でしょう。
勘と経験から、スコーピオン15gで大丈夫なのではと思うのですが、アイデアとして普段の鬼増し量のハバネロは味を壊さない適量なので、同じハバネロ量の上にスコーピオンまず5gを足すのはどうでしょう。何故ならその場合『普段の鬼増しと変わらない』ということは決して無いからです。
『物足りない』と言うお客さんも当然出てくると推測されますが、急がば回れ、安全確認の為にも始めのうち召し上がったお客さん達の様子を見て、そ れ次第で10gに増やすのはどうでしょう。
そのハバネロプラス5g/10gバージョンを試して、食後暫く様子を見る所までお付き合いする ことは可能ですので、もしその必要がある場合は仰って下さい。
昨日の25g(但しハバネロ抜き)は作って良いと個人的に思っています。けれどもそのハバネロプラス5g/10gバージョンを完食して問題無かっ た人、若しくは問題があった人でも胃痛を覚悟でもっと上を経験してみたいという私達のような激辛人(苦笑)に厳しく限定するべきだと思います。

 

P.S. 私達は分かりながら胃痛も含めて全ての経験を楽しんでいる経験者ですので、罪悪感や責任感は全く不要ですのでどうぞご心配なく!<-- ここ大事です!」

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三浦さんは私達の経験に深く心配されながら、感動もしてくれ、その提案『鬼増し(ハバネロ)+5g or 10g』に喜んで同意される。商品は夏限定というもの、時間は待ってくれない。商品化の為にすぐ試したい必要性を痛く感じ、私Asukaは2日後に再び試食に向かうのであった。

 

 

2013. 7. 18 Thursday

 

残念ながら神田から遠くに住む姉と妹は急な再試食に赴く事が出来ず、私1人が伺う事に。

が、1人では意見交換が出来ず、2日前の未知の体験の所為で正直不安な所もあるので、激辛友達でもし来れる人がいたら連れて行って良いか聞いてみる。

三浦さんから快い承諾を頂き、声をかけたのは激辛レベルが私達と同じMr. 辛友。

彼は『鬼金棒』のカラシビファンなので、いつもの味を知っているのは比較に有利だし、男の意見もあるとお店にとっても参考になるであろう。

事情を説明すると状況を察してくれ、大変心強いことに突然の誘いに応じて協力を了承してくれる。早速その夜緊急事態とは思えないスムーズさで2人で『鬼金棒』つけ麺店にお邪魔することに。

 

木曜日の夜19時半、大人気のお店はお客さんでごったがえしていた。

そんな中でも、前もって連絡を取り合った私達2人分の席を作ってくれる。

大忙しで料理に時間がかかっている中、ファンもいる程の美味しい自家製チャーシューと、これ又人気のパクチーを使った美味しい速攻おつまみを用意してくれる。 恐らく勘だけで瞬間に創ったのであろうこの美味しいタレ、料理のセンスって、こんな所で輝くんだよね。

 

17_21

 

今回はスコーピオンの量調整に重きを置き、『カラシビ味噌らー麺』だけに絞って2バージョン(5g & 10g)を試す事に。

まずは私の提案通り、予め決めていた『特製カラシビ味噌らー麺』-『カラ鬼増し(ハバネロ入り)+スコーピオン5g』を2人でシェアする。痺れは前回と同じ理由で『増し』にとどめる。

 

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ビジュアルでのスコーピオンは明らかに少ない。はぁ、前回この5倍を口にしたのか。

しかしハバネロの圧倒的な存在感の所為で、口で感じる辛さのパワーは凄い。確実に普通の『鬼増し』を上回る。辛さのレベルに文句を言う人はいないであろう。

とは言え、スコーピオン25gと比較すると余裕で味を楽しめている事に気付く。あの時は、口には直接の打撃が無かったが、体が必死になっていたに違いない。

その余裕感から、生ハバネロの欠片を掴んでそのまま口に含む。軽くピリリリ... と溶けるような爽やかな刺激は、主張していないから大して辛くないような錯覚を覚えるが、時間とともにその隠れた物凄いパワーが口全体に浸透する。これを2日前に25g食べたんだ、私達・・・それはとんでもないことでしょう。

時間差で訪れるかもしれない胃痛の前兆を気にしながら、様子見の為に態と時間をかけて食べ進める。一口毎をしっかりと味わいながら。

それにしても鬼増しにすると、脇役になることを断固と拒絶するハバネロの臭いと味が大変気になる。本来のスープの味が変わってしまっている。どうなんだろうこれ・・・

 

ということで次の一杯は、ハバネロ抜きでスコーピオンを増やす事に急遽決める。

『カラシビ味噌らー麺』-『シビ増し』『カラ増し(ハバネロ無し)+スコーピオン10g』

 

17_23

 

本来の味噌スープがそのまま生きた味。

嗚呼、旨い。

嗚呼、旨い。

文句無し。理想の旨さと辛さのバランス。

それにこのクリエイティブな『三種混合麺』、つくづく美味しいなあ!歯応えをしっかり保ってモチモチ、微妙に太さが違う麺が歯触りだけでなく不思議と味にも変化を付けて、最後まで楽しく食べられる。これは芸術品だ。

口で感じる辛さのパワーは『カラ鬼増し+5g』と同じ位だろう。

どちらが良いかは好みの問題だろうが、『カラ鬼増し+5g』は確実にハバネロスープ。ハバネロ臭は苦手な人が多く、時間と共にスープにどんどん染み込んでいくつんとした酸っぱ さを好む人は少ないのでは。
最後に味が浸透した両方のスープを飲み比べてみると、その点スコーピオンの方は見事にバランスがとれている酸味と苦み、そこに加わるフルー ティーな風味、そのどれもが微かなのでスープの味を壊さず、更に美味しくしている感じも。

 

最後の冷めたスープの味を比べる事で、ハバネロとスコーピオンのそれぞれの味と特徴をしっかり再認識させられる。

左がハバネロの含まれたスープ、本来のオレンジ色にかなり赤みが加わっているのが一目瞭然。ハバネロはビジュアルでも主張が強いんだなぁ。

 

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前回の経験から思わず慎重&緊張してしまい、スコーピオン15gを躊躇したが、食べ終わった後『カラ増し+15g』は十分あり得るとMr. 辛友と同意見。
寧ろ『カラ増し+10g』は少し物足りなささえ感じる。
それ故スコーピオンの量は、オーナーの三浦さんがどんな層を一番ターゲットにするかによる。

 

以下がMr. 辛友と私の一致した結論:

 

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『カラ鬼増し+5g』 -- 味はハバネロスープで本来の味が壊れる。辛さレベルは以下に続く『カラ増し+10g』と同様。


『カラ増し+10g』-- 一般激辛ファンでは完食は難しいだろう。危険度は低いので無理をしても身体に異常は起こらないであろう(というか無理が出来る人は激辛人)。
今までのカラ鬼増しファンから辛さが変わらないと文句が出ることはないだろう。
激辛人では全員が美味しく食べられるレベル。私達のように多少の物足りなさを感じる人も中にはいるであろうが、がっかりするレベルでは無い。


『カラ増し+15g』-- 一般激辛ファンでは食べられない人が殆ど。無理が出来るレベルではなくなるであろうから危険度も低い。
激辛人でも半分くらいはリタイアが出るであろう。ただ無理をしても身体を壊すことはないだろう。確実に激辛人を唸らせる(感動させる)レベ ル。

一般激辛ファン/激辛人 両方が楽しく美味しく満足度も高く食べられるようにするのが目的なら10g
激辛人によりターゲットをおいて印象づけさせるのが目的であれば15g

『カラ鬼増し+5g』
『カラ増し+10g』
『カラ増し+15g』


どれに決定したとしても、稀な辛旨ラーメンとして良い評判を得るだろうと期待出来る。

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汗はかきながらも平気そうに食べている私達を終始眺めながらも、私の2日前の正直な告白の為心配色は隠せず、最後に飲むヨーグルトで私達の身を労ってくれた三浦さん。

さて彼の最終決断は如何に!?

 

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翌日の三浦さんからのメール:

 

「Asukaさん

体調を崩さなくて良かったです。

ターゲットにしているのは、激辛人の上層部におられる方々ですね。

その方々が納得できる辛さにしたいというのは外せないところです。

しかし、体調を崩してしまうと印象が良くないので、ギリギリ又食べたいと思っていただけるものがいいですね。激辛人の方々で完食出来る方、出来ない方がいたほうが、話題にもなりそうですし 。

ご意見をいただき、考えがまとまりました。」

 

 

 

ワクワクワクワク・・・

 

 

 

 

『カラ増し+スコーピオン15g』にします!」

 

 

 

うぉホンマか!!!

 

「名前も変わらず『鬼殺し』でいきます。」

 

これは私達でさえも完食は体調に左右される、しかし旨味を全く壊さない歴史に残る辛旨ラーメンになるわよ。

成功を祈る!

 

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カラシビ味噌らー麺/つけ麺/冷やしつけ麺

カラさをパワーアップさせた最強バージョン『鬼殺し』

辛さはパワフルに、美味しさはそのままに。

『シビ鬼殺し』も可能。

時間限定販売 月〜土:15:00〜21:30 日:11:00〜16:00のみの販売

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私Asukaが発売開始日2013/7/22に頂いた最終作品のレポを、こちら個人ブログに掲載しています:

 

Asuka Komai Visual Artist - Devil Killer

 

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